装具には色々な種類があります。自分自身のストーマのタイプや
排泄物の性状をよく知った上で装具を選ぶことが大切です。
ストーマがあっても日常生活が制限されない
ようなものが最適な装具といえます。
○ 長時間使っても、体や皮膚に影響を及ぼさないもの
○ 定期的に交換できるもの(ツーピースシステムは週に1~2回が適当)
○ 便や匂いが漏れないもの
○ 日常生活を制限しないもの
○ 衣服の上から装具が目立たないもの
装具には色々な種類があります。サンプルを試しに使用して自分にあった生活しやすいものを見つけてください。
◆ ワンピース型
面板とストーマ袋が一体になっているので、取扱いが簡単。短期交換向き。
◆ ツーピース型
面板とストーマ袋が分かれているので、面板を固定した後に袋の方向を決めることができます。
◆ 面板
皮膚に貼り付ける部分
◆ ストーマ袋 (パウチ)
便を溜めておく袋
◆ 便排出口
ここから便を流します(普段は折り曲げてクリップなどで留めてある)
※ ストーマ袋は3種類に分けることができます。(販売会社により名称、形状、種類が異なります。)
◆ 下部開放型(ドレインパウチ)
袋の下部分が空いているので便が溜まったら、そこから排出します。数日間使用が可能です。(通常使用するのは、このタイプ)
◆ 閉鎖型(クローズパウチ)
排泄口が無いので使い捨てになります。皮膚の調子が悪い等、短期間で変えたい時に使用します。
◆ ミニパウチ
温泉やプールなど目立たせたくない時に利用します。短時間用です。
◆ 皮膚保護ペースト / 皮膚保護パテ
ストーマの周りにできるシワ・くぼみを埋めて皮膚の表面を平らにし、装具と皮膚の間から排泄物が漏れるのを防ぐ。
◆ 皮膚保護パウダー
ストーマと皮膚保護剤面板の隙間を埋めるように振りかけて皮膚への排泄物の付着を防いだり、皮膚の湿気を取って皮膚保護剤面板の密着性を増す効果がある。
◆ 皮膚保護ウエハー
ストーマの周りにできるシワ・くぼみによる凹凸を補正して皮膚保護剤面板の密着性を高める。
◆ コンベックス・インサート
ストーマ周囲の皮膚と皮膚保護剤面板を密着させるために、面板のフランジ部分にリング状のものを嵌め込んで凸面を作り排泄物の漏れを防止する。※コンベックス内蔵の面板を使用しない場合に必要。
◆ 固定用ベルト
パウチ(ストーマ袋)を固定し、ずれにくくする。
◆ 剥離剤(リムーバー)
粘着テープ等が剥がれにくい時に利用する皮膚を傷めず剥がすことができる液体。
◆ 皮膚被膜剤(スキンバリア)
ストーマ周囲の皮膚を排泄物やテープ類などの刺激から守る。
◆ レッグバッグ(下肢装着用蓄尿袋)
長時間に渡って排出処理ができない時に接続することで蓄尿量を増やすことができる。
◆ ナイト・ドレーナージバッグ(夜間用蓄尿袋)
就寝時に通常のパウチ(ストーマ袋)に接続して蓄尿する。
◆ パウチカバー
汗などで蒸れて皮膚がかぶれたりするのを防ぐために、パウチ(ストーマ袋)にかぶせる。
◆ サージカルテープ
皮膚保護剤面板の皮膚への密着性を高めるために面板の周囲に貼り付ける粘着性のテープ。
◆ 皮膚保護剤・穴あけ専用はさみ
皮膚保護剤面板の中心部分をストーマのサイズに合わせて円形に穴をあけるためのはさみ。刃の部分が緩やかにカーブしている。
◆ 消臭剤
排泄物の臭いが外に漏れないようにパウチ(ストーマ袋)の中に入れる。
ストーマの安全と、装具の品質を保持するために、保管の際は下記に気をつけましょう。
○ 高温(40℃以上)多湿の場所での保管
○ 温度の低い場所での保管
○ 直射日光のあたる場所での保管
○ 圧迫がかかる場所での保管
○ 大量購入による長期保管
○ 剥離紙を剥がしての保管
排泄の方法や袋のとりつけなどの方法を覚えて慣れる必要はありますが、それができれば手術前と同じ生活ができます。
排泄物をためる袋は洋服の下に隠れますので外観上わかりません。また、正しい管理をしていれば臭いがするなどの問題もありません。
※公共施設や駅などに「オストメイトトイレ」がありますが、立った状態で排泄しやすい高さに便器が設置されていますので、外出時など利用されるとよいでしょう。