外出や旅行では、不意のもれや慣れない場所での装具交換に
不安を感じ躊躇してしまうこともあると思います。また、災害はいつ起こるかわかりません。
いざという時に困らないように、災害に対する心構えや準備をしておきましょう。
◆外出
○ 不意の排泄物の漏れなどに対応できるように、装具を1セット持参しましょう。
○ 外出先の公衆トイレやデパート・公共施設・コンビニエンスストアーなどの利用できるトイレをチェックしておきましょう。
○ 「誰でもトレイ(多機能トイレ)」はストーマ保有者が排泄したり、装具を交換したりしやすいようなつくりになっています。
最近では、公共施設への設置が広がっています。外出先などにあれば利用することができます。
◆旅行
○ 慣れない場所での装具交換や体調の変化で使用枚数が増える可能性があるため、
宿泊日数の中で装具を交換する予定枚数より1セット多めに持参します。
○ 旅行先で装具を入手できるところを事前に確認すると安心です。
◆車に乗る時の注意
01. シートベルトがストーマに当たってストーマを圧迫しないようにしましょう。
※ シートベルトはストーマの上か下でしめましょう。
※ 車用品の販売店で「シートベルトストッパー」等を売っていますのでこれを利用すると
シートベルトを好きな位置で止めることができ、腹部を圧迫しないので便利です。
02. 携帯用の装具は、高温多湿の車中では保管しないようにしましょう。
※ 特に面板の粘着力が低下します。
03. 長時間の運転は避け、休憩を取りながら運転しましょう。
◆飛行機に乗る時の注意
○ 機内にはさみは持ち込めません。初孔式の面板を使用している場合は、あらかじめ面板をストーマの大きさに穴をあけておきましょう。
○ 荷物を預ける場合には、機内持ち込みの手荷物に装具を1セット入れておきましょう。
○ 上空では、機内の気圧が少し低くなるためストーマ袋内の空気が膨張することがあります。
◆飛行機に乗る際の工夫
01.はさみ刃物等は機内に持ち込みはできません。ストーマ装具はあらかじめ切っておきましょう。
環境や食生活の変化により、体調を崩すこともあるので、予備の装具を多めに用意しましょう。
02.スーツケースが届かないなどのトラブルが起こってしまった場合に備え、ストーマ装具は手荷物にいれましょう。
機内用品には5,6枚ストーマ装具とポケット型ウェットティッシュ、拭き取り式洗浄剤を準備しておくとよいでしょう。
03.搭乗前に排泄物はトイレに流しておきましょう。
04.飛行機が上昇するにつれ気圧が低くなり袋の中の空気は膨張してしまいます。ストーマ袋はこまめに空気を抜いてあげましょう。
対策
◆ 消化管ストーマは脱臭フィルターの付いたストーマ袋を使用しましょう。
◆ 脱臭フィルターの付いていない製品は、後付脱臭フィルターをあらかじめ装着しておきましょう。
◆ 機内でガスの発生しやすい食品や飲料水は過度に摂取しないようにしましょう。
海外旅行での注意
◆ 海外では日本とトイレ事情が違うことがありますので、旅行の前に現地のトイレ事情を調べて、事前に準備をしていおくと安心です。
◆ 海外旅行ではスーツケースが紛失するトラブルもよく聞かれます。そのため、装具の保管はスーツケースの1箇所にまとめず、数箇所に分散したり、
可能ならば、同伴者の荷物にもいれてもらったりするとよいでしょう。
◆ 海外では、時差や食事内容の違いから、体調を崩してしまうこともあります。
病院などにかかる際には、英語や渡航先の言語で書かれた診断書や、簡単な会話文を用意しておくと便利です。
◆ 海外で灌注排便法をする時は、飲料水を使用します。しかし、現地で灌注排便法が実施できない状況があるかもしれないため、
自然排便法に切り替えられるようにしておきましょう。
◆ 渡航先では日本で販売している装具が販売されていないこともあります。また、装具が不足した場合も考えて、渡航先で購入できる場所を調べておくと安心です。
メーカーなどに問い合わせるとよいでしょう。
◆ 緊急時に備え、国内旅行の場合には各地のオストミークラブセンター、海外旅行では、
国際オストミー協会(IOA : International Ostomy Association)の各支部の連絡先を控えておくことをお勧めします。