オストメイトの生活を楽しむためのWEBマガジン WiSH MAGAZINE | [オストメイトの食事]

ストーマ造設をしたからといって、食事制限はありません。
暴飲暴食を避け、栄養のバランスを考え、規則正しく、良く噛んで食事をすることを心がけましょう。
内蔵疾患などで食事療法をしている場合は、術前と同様に継続することができます。




オストメイトの生活を楽しむためのWEBマガジン WiSH MAGAZINE | [オストメイトの食事]消化管ストーマでは摂取する食物の内容により、便の量、形状、臭いなどや、排ガスなどが影響を受けます。術式や体質により個人差がありますが、術前に下痢や便秘の原因となっていた食品や、一般的に下痢をしやすいといわれている食品を摂取した後の排便状況を観察するとよいでしょう。
摂取することによってガスが多くなったり、下痢をしたりした食品類は、排ガス音や排便を控えたい状況のときには摂取を控えるなど、排泄のコントロールの方法として取り入れることができます。


※ 繊維に富んだ食品を一度に多くとると、ストーマ出口近くで詰まってしまい腹痛や吐き気などの症状を起こすことがありますので注意してください。





◆便の性状を整える食品
米飯・そば・じゃがいも・さつまいも・さといも・レタス・ほうれん草・ピーマン・にんじん・大根・きゅうり・バナナ・オレンジ・りんご など





◆排ガスを予防するには
○ ガスの主な原因は、食事をする時に食べ物や唾液と一緒に口の中に入ってしまった空気、消化されなかった炭水化物で腸内細菌が活動することによって発生したガスです。
○ 空気を多く飲み込まないようにするには、ストローを使用しない、話しながら食事をしない、食事はゆっくりとよく噛むようにする、ガムや喫煙を控えるようにしましょう。
○ 腸内細菌が関与するガスは、ガスの発生を促進するような食品は避けましょう。
○ ガス音が気になる場合は、ストーマの上に手をおくと、音の大きさを抑えることができます。



ガスの発生が促進される食品
アルコール・炭酸飲料・キャベツ・チューインガム・にら類・いも類・ラーメン・大根・豆類・カニ・エビ類・貝類・春菊・アスパラガス・生卵・チーズ など



ガスの発生を抑える食品
ヤクルト・ヨーグルト・乳酸飲料・クランベリージュース・パセリ など






◆臭いを強くする食品
○ 昨今のストーマ袋は防臭性が向上し、ストーマ袋内に便があってもほとんど臭いはもれません。
○ 臭いが気になる場合は、食事の内容で臭いの発生を抑える工夫を取り入れてみましょう。
○ ガスや便のにおいが気になる時は、臭いを強くするような食品を避けましょう。
○ ガスや便の臭いを和らげるような食品を摂取しましょう。
○ ストーマ袋内に消臭剤などを使用してみましょう。
○ 経口摂取の消臭効果があるサプリメントなどを活用してみましょう。



臭いの発生が促進される食品
にんにく・ネギ類・にら類・アスパラガス・卵・魚 など



臭いをやわらげる食品
オレンジジュース・レモン・パセリ・クランベリージュース・セロリ・ヨーグルト など






◆下痢の対策
○ 下痢の原因は食事内容だけでなく、体調不良、運動不足、治療の影響など多くの原因が考えられます。
○ 下痢になりやすい食品は、個人の体質により異なります。ご自身で、食事摂取の内容による排便の影響を観察して、下痢をするような食品は避けるようにするとよいでしょう。
○ 下痢をしたときは一度に食べ過ぎず、様子を見ながら少しずつ食べるようにしましょう。
○ 下痢がひどい場合は一日くらい食事を休み、水分だけをとるようにして、落ち着いたら消化吸収の良いものからはじめ、少しずつ普通の食事へ戻すようにしましょう。
○ イレオストミーや、コロストミーでも下痢をした時は、脱水症状を引き起こす可能性が高いです。水分と電解質補給用としてスポーツドリンクなどを摂取するとよいでしょう。



◆便秘の対策
○ 便秘の原因は、活動量の低下、水分不足、食物繊維の摂取不足、薬物治療などがあります。
○ 適度な運動、水分摂取、便を柔らかくする食品を摂取するようにしましょう。
○ 運動や経口摂取を工夫しても便秘が改善しない場合は、主治医に相談しましょう。



便が柔らかくなりやすい食品
冷たい飲み物・炭酸飲料・アイスクリーム・酒類・揚げ物・生の果物・生野菜・イカ・タコ・脂肪の多い肉・牛乳・
チョコレート・辛い食品・プルーン・オレンジジュース・レタス・ブロッコリー・ほうれん草 など



便が硬くなりやすい食品
米飯・パン・うどん・とうもろこし・もち・葛湯・マシュマロ・バナナ・じゃがいも・アップルソース・チーズ・タピオカ・ヨーグルト・マッシュルーム・パスタ など





手術を受けた方が注意すべき食事
◆ 一度の食事は「腹6~7分目」にしましょう。
◆ 肥満は大敵で、下腹に脂肪が付くことでストーマの形状が変化してしまいます。
◆ 手術後半年間位は刺激の強い野菜や香辛料、脂っこいものは避けたほうが良いでしょう。漬け物、ねぎ、からし菜、唐辛子、にら、
 にんにく、からし、わさび、カレー、てんぷら、うなぎ、フライ、肉の脂身、コーヒー、炭酸飲料など。
◆ 満足感が無い場合は間食を摂っても構いません。(二回程度)ビスケッ ト、カステラ、果物等の比較的軽い物が良いでしょう。
◆ 三大栄養素「タンパク質、脂質、糖質」及び微量栄養素「ビタミン、ミネラル」をバランス良く充分に摂取することが基本です。
◆ 良性タンパク質の摂取(魚や乳製品、大豆製品)を心がけましょう。
◆ 動物性タンパク質(牛肉、豚肉、鶏肉、ソーセージ等)は飽和脂肪酸を含み、大腸の病気を起こしやすいので控え気味にしましょう。